1983年1月12日 朝6時頃、目が覚めたとき少し頭痛があり、風邪の徴候かと少し心配になり、毛布を1枚から3枚に増やして再び就寝。再び目が覚めたら8時丁度、朝食の時刻だ。Salon の門脇氏に起こされるのは恥だし、着席が遅れると船長、機関長、一航士、一機士、通信長に失礼になるので大慌てで顔を洗い、服を着て食堂に下りたところ、誰も居ない。どうも昨夜のうちにまた30〜40分時計を遅らせたらしい。昇橋してみると雲量2〜3でやや薄暗いが、青空も見え、視界は素晴らしく、水平線がくっきり見える。雲にしても水平線にしても、スモッグの影響を受けないので実に美しい。マゼランやキャプテンクックの見た海もこれと同じであった筈だ。風速40ノット、リッギングがヒューヒューと鳴っている。うねりにつき一航士に尋ねたところ、波長30〜40m、波高5m、周期8〜9秒であろうとのこと。引き続きピッチングだけでローリングは殆どない。Oakland 出港時、船長、一航士が G.M. の見合は良いと言っていたのが思い出される。風力8は初めてなので写真撮影5枚程。 |
昼食チキンの串焼き、ハーフグレープフルーツ、味噌汁、白飯。1300〜1630
昼寝。いくら寝ても眠い。やはり少し風邪気味なのかもしれない。夕食は白身魚のフライ、野菜サラダ、スープ、サーロインステーキ、(パン)、ビール2缶。軽いピッチング及びローリングのみ。漸く1日が1日として感じられるようになった。夕食後、部員娯楽室で約30分麻雀見学。その後、通信室で通信長平石氏より昭和24年犬吠近くで荒天下船体傾斜したため任意座礁し、結局全損となった花咲丸(1,500トン、日露戦争の戦利品)の遭難体験談を聞く。全日海より57年10月にぼりばめ丸の記録が出ていることを知る。8時から
Officers’ Smoking Room
でトラさんと演歌のビデオを見ながら、司厨長福田氏と雑談、もうそろそろ9時頃と思って室内の時計を見ると8時5分を指しているので変な感じがした。いつも8時30分過ぎに30分遅らせるらしい。10時昇橋して滝口三航より視地平距離につき教えを乞う。 D(マイル)=2.072√H(メートル)+h(メートル) 本船の場合、眼高20mにつき水面上のものが見える限界距離は9.26マイル。相手船の船橋高10mとすると、視認できる視界距離は11.35マイル。なお、気差ということある由、これについては明日教えて貰うこととなる。また57年3月、日本水路協会(Tel:591−2835)発行の「大洋における標準的航路の選定(太平洋)」という本、及び「高層天気図の利用法(日本気象協会)」という本の存在を知る。この日 Noon までWの風であったが、1600 WSW となり、ついで 2000 にEに変わり、その間気圧が降下しているのは本船が低気圧との相対方位において南東から東、北側へと移動したことを示す。船首方向から受けることなく低気圧をかわした巧みな航路選定といえよう。 1月12日の Log Book 記載内容 0400 Sea high Ship pitching & rolling heavily on sw’ly heavy swell Shipping seas on decks all the times S. log 308’ 4における針路300゚(T)、風向WSW、風力7、天候bc、気圧1011.0 大気温度 乾7.0・湿5.0、海水温度10.0、主機回転87.1、Log74 0800 Sea very high Ship pitching & rolling heavily up sw’ly heavy swell Shipping seas on decks all the time S. log 378’ 8における針路300゚(T)、風向W、風力8、天候c、気圧1010.5 大気温度 乾5.0・湿3.5、海水温度10.0、主機回転86.7、Log70 Put ship’s clocks ab’k 0h−15m Noon Sea very high Ship pitching & rolling heavily up west’ly heavy swell Shipping seas on decks all the times. Reset S. log showing 455’ Noon における針路300゚(T)、風向 West、風力8、天候bc、気圧1010.5 大気温度 乾5.0・湿3.5、海水温度8.0、主機回転87.8、Log77 1600 Sea very high Ship pitching & rolling heavily on W’ly heavily swell Shipping seas on decks all the time S. log 75’ 16における針路300゚(T)、風向WSW、風力8、天候o、気圧1007.0 大気温度 乾5.5・湿3.0、海水温度7.0、主機回転88.7、Log75 2000 Sea very high Ship pitching & rolling heavily up w’ly heavily swell Shipping seas on decks all the time S. log 149’ 20における針路300゚(T)、風向 East、風力8、天候 S(snow)、気圧998.5 大気温度 乾3.0・湿2.5、海水温度7.0、主機回転88.9、 Log74 Put ships clocks ab'k 0h0R-30m~ M.N. Sea very high Ship pitching & rolling heavily up East’ly heavily swell Shipping seas on decks all the time Reg. lights were strictly attended to Round made, all’s well. S. log 231’ M.N. における針路300゚(T)、風向 East、風力8、天候 r(rain)、気圧986.0 大気温度 乾3.5・湿2.5、海水温度6.5、主機回転88.2、Log82 正午位置 実測(Obs’d) 46−34N, 143−55W 推測(D.R.) 46−27N, 144−12W |
航海時間 24−45 航海距離 448 航進時間 24−45 航進距離 448 平均速力 18.10 推測距離 455 (D. Run by Log) 同上平均速力 18.38 (Av. Sp’d by Log) 距離(Dist) from 1115 to 3563 海潮流14’<058> 燃料 残有量 199.6 1993.7 飲料水 1日 1.5 74.5 飲料水1日消費料 18 Sounding of Tanks & Bilges NO.1 F.W.T. P112 S 96 NO.2 F.W.T F NO.3 F.W.T. P109 S107 Low A.P.T. F Bilge P (cm) S (cm) NO.1 hold 15 12 NO.2 hold 22 2 NO.3 hold 19 13 NO.4 hold 42 22 NO.5 hold 15 12 Noon における GMT との差 −9h−30 船内使用時整合 Ab’k 0−45 (1−30) Noon における (JST との差) Balance 5−30 二港間の合計 航海時間 2−12−40 航海距離 1,115 航進時間 2−10−48 航進距離 1,097 平均速力 18.85 推測距離(D. Run by Log) 1,095 平均速力 18.62 |